杏子とOLの出席簿

20代女子ふたりの背伸びをしない交換日記。

本音はいつも、煙に巻く【杏子 出席】

by 杏子


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なぜオードリーなのか

そう、今日はオードリーで考えたいことがある


以前こんなことを書いたことがあった

http://koukandairy.hatenablog.com/entry/2018/01/08/055231


過去ポストより引用

やはりこの人を好きだと確認してしまった一方で、この人を好きで居続けられるか、その意思が揺らぎかねない出来事もあった。 

その夜別れたあと、ずっとその出来事について考えている。


この出来事とは、彼の話題が発端だった。


「知り合った大人の人たちに、葉巻屋さんに連れていってもらったんだ」


その話を、彼はとても楽しそうにした。



実のところわたしは潔癖なほどの嫌煙家で、中高時代の親友が二十歳を過ぎてタバコを吸うようになった時、あんなにも愛した親友を嫌いになりそうになった。本気で友達をやめようかと思ったほどだった。


その子はお兄ちゃんが家でかなりタバコを吸う人だし、喫煙のハードルが低いことはあとで冷静に考えたら理解した。


今となっては、タバコを吸う吸わないで人付き合いを決めるものではない、ということは理解できたけれど、例えば結婚相手は絶対に吸わない人がいいな、という思いは変わらなかったし、今でも件の友人の喫煙習慣を良く思っているわけではない。ただ、吸ってくると言われたら「あーハイハイ」と言って流せる程度にはなった。



しかし、である。

あんなにも好きになってしまった殿が、葉巻。

正直、その夜は一緒に食事を楽しむことができて嬉しかった反面、苦い後味が残った、そう、それこそタバコのように(マジで吸ったことないから知らんけど)。



とはいえ、彼がパイプを持つのは時間の問題だろうな、と実はその前からうっすら思っていた。なぜなら、絵面的に、似合うのだ。





次に会った時、そういえばこの前の週末葉巻屋さんに行くと言っていたなと思い出し、どうだったの、と話を振った。


すると、実は2、3日ニコチンが抜けなくて頭が痛かったのだという。だから、また誘われれば行くけれど自ら望んで葉巻を吸いたいとはもう思わない、と。


自分はアルコールもニコチンも弱くて情けない、と彼は言ったが、わたしはいいんじゃないと強めに言ってみた。気づいたかどうかは知らない。



ただ彼は自分もタバコは嫌いだと言った。タバコは臭い、と。葉巻はいいにおいなのだと。詳しくは忘れたけれど、ただニコチンの量は葉巻のほうが多いと言っていたような。でもタバコは肺に煙を入れるのに対して、葉巻は口に含んで香りを楽しむだけだからタバコほど悪くないとかなんとか。あとタバコは人工の発火剤が臭くてかつ体に悪いんだとか何とか。



ワタシには屁理屈にしか聞こえなかったが。とはいえ、たまに、よそで吸うくらいなら、構わないか、と思った。ワタシに迷惑がかかっているわけではない。ワタシが嫌いになる理由には、ギリギリならないな、と。





ところが、である。

今度は彼はパイプを買った。



だから言ってやった。ニコチン弱いくせにって。

そうしたら「めったに吸わないよ!何より使うかどうかも決めてない」

それは大変物として貴重な品だったので、コレクションの可能性も大いにある、と。



しかし数週間後、彼は練習用に安いパイプを買って試してみた、と、ワタシとふたりきりの、誰にも話を聞かれない時に打ち明けてきた。



そしてワタシは知っている。彼がひっそりと、その後二度三度パイプを試していることを。



パイプは葉巻よりは圧倒的に煙が少なく、吸いやすいとかなんとか。ニコチンに弱いはずの彼でもちょっぴりなら平気らしい。



でも人間なんて、ちょっぴりを重ねれば耐性というものがついていくじゃないか。それが今のワタシの懸念である。



わかってる、これがワタシのわがままだって。

彼は彼氏ではない。兄弟でも親戚でもない。ワタシなんかが吸わないでって言う権利はなくて、ワタシが煙を嫌がるなら、ワタシが彼から離れればいいだけ。



にしても、ふと世の中を改めて見渡すと、煙を吸う人は多いなぁと驚かされる。



ワタシは煙関係のものに何も魅力を感じられない趣味趣向で、タバコを色っぽいと言う人の気持ちが全くわからないと思っていたのだが、



よく考えてみれば、例えばかわいくて美しくてたまらない、この、『ティファニーで朝食を』のメインビジュアル


https://www.amazon.co.jp/dp/B000EPFQ3M/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_eWOLAb3W1ZDN3


オードリーが持っている長いものは、シガレットホルダーという管で、棒の先に紙タバコを差して楽しむものだ。



これが喫煙具であることを今まで意識していなかったけれど、このオードリーはかわいいし、細長い棒を黒い手袋をした手でスラリとラフに持っているのが何とも色っぽく美しい。



恐らく、ワタシが煙に対して潔癖すぎる、というのは、わかっている。



けれどワタシは、煙と愛の間で心が揺れる。






ちなみに彼はアルコールがほんっとうにからっしきダメだ。

ワタシは多少は飲める。限界値を試したことがないので、強いのか弱いのかは知らない。



お酒の話をすると、彼は少し居心地悪そうにする。



だからきっと、お互いさまなんだろうなって思う。



さらにちなみに言うと、我ながら人が悪いけれど、友達とお酒を飲んで学校から帰る日、ワタシは彼に連絡を取らない。