2回目のさよなら【OL 仮病】
byちやほやされたいOL
1年たったのか
と呟いたのは
12月の晴れた休日
開けた窓から
冷たさに縁どられた暖かい空気が部屋に入ってきた時
排ガスと湿った草の匂いがした
なにをするにも「平成最後の」と浮かれる街の中で
私は相変わらず
寝て起きて読んで働いて
そんな日を300回も繰り返した
あなたと終わって
1年なりますね
と、まだ繋がっているLINEでわざわざ言ったりはしないのだけど
どうやら元気でやっていそうなので
なによりですと心の中で思う
早く立ち直りたいと他の人に会ったりもした
寂しさを別の何かで埋めようと
髪を切ったりクッションを買ったり
いらない服を捨てたり
漁るように本を読んだり
でも正直なところ
もう永遠に無関係な人になろうと
腹をくくれていなかった
でも
ほぼ毎日チェックしていた彼のツイートも
徐々に閲覧する頻度が減った
涙を流す夜もなくなった
LINEは非表示にした
やっと終わりにできるのだと思う
やっと前に進めるのだと思う
冬が愛を凍らせて
溶かしてみてもなにも残っていなかったから