寝ている君の背中になぞった言葉【OL 放課後】
by ちやほやされたいOL
いい雰囲気の人がいる
自然に終電を見送った
漫画喫茶で場所を分け合いながら眠り
朝はコーヒーとドーナツを食べて
映画を見てそれぞれが住む世界へと戻った
私は臆病なので自分から
「また会おう」という提案はしない
自分から手も繋がないし
好意を表に出さない
もし相手がちょっとでも「違う」と思ったら容赦なく切ってほしいからだ
次回はあるのかしら
と思いながら歩いていたら「来月はもっと会えるといいね」と言われた
ちょっとびっくりした
また会いたいと思われるのはとても、嬉しい
別れ際に「楽しかったよ」と言ってくれること
仕事の悩みを打ち明けてくれたこと
エドシーランの曲を歌ってくれたのも嬉しかった
でも
浮かれそうになる自分を止めた
気は抜けない
前回、本命との件で私は一生引きずるであろう恋を勝手にして、勝手に撃沈した
そして今なお、実はLINEを送っては既読無視されている
期待をしないのは傷付かない為の一番の策だ。
さらに私は彼に聞こうとしている
「最近いい女いないの?」
と
あまりにも無粋な問いなのは明らかだが
もう誰かを好きになるのは怖いのだ
勝手に好きになって
勝手にもやもやして
勝手に終わらせなくちゃいけないのはあまりに惨めで、苦しい。
だから、他の女がいるならそちらで話を進める旨を教えてほしい。
それならよき友人の1人として開き直れる。
許可をもらわないと怖い
踏み込んでいいものか
言葉にしてもらわないと、わからない
もうあんな風に毎日頭を働かせ
自分が相手にとってなんなのか考えるのはいやなのだ
安心して甘えたいし
好きになりたい
だから、もしその気でないなら言ってほしい
衝動的な欲望を満たすための関係がお望みなら、私もそのつもりで判断する
名前のある関係にこだわる訳ではないし
付き合っていますよね?みたいな確認行為そのものがダサいのはわかる
それでもやっぱり本音を知りたいと思ってしまうのは
既に私は彼に惹かれている、ということなのだろうか